中国新幹線脱線と原子力安全・保安院やらせ問題

 最近の中国の動きには目に余るものがある。
 日本や独仏やカナダから高速鉄道の技術を導入しておきながら、それを特許出願したり、南シナ海のスプラトリー諸島の領有権を主張して現在は航空母艦を建造中。泥棒みたいなことを力ずくでするかと思えば、領土問題には空母で対応。こんな国に平和主義とか民主主義とかいっても通用しないだろうから、私もこれまでの考えを改めなければならないかもしれないと最近では思い始めている。

 今月23日夜、20時38分、中国浙江省温州市で落雷による停電で緊急停車していた浙江省杭州発福建省福州行き高速鉄道D3115号に北京南発・福州行きD301号が追突した。双方とも16両編成で、合計6両が脱線して4両が高架橋から落下した。停車していた車両はカナダから技術を導入したCRH1で、追突したのは日本の東北新幹線はやてをベースにしたCRH2型だという。

 驚くことに翌朝午前7時半過ぎには大破した先頭車両をショベルカーで砕き始め、畑に掘った穴に埋めてしまった。事故原因調査もしないでこんな事をすることが信じられるだろうか。そして25日には運行再開。まともな国ではないでしょう。

 一方、日本。九州電力が玄海原発の再稼動についての番組で関連会社の社員に動員を掛けた問題で九電のCSR(企業の社会的責任)はどうなっているんだと思っていたら、原子力安全・保安院が原子力関連の国主催シンポジウムで、電力会社に参加者の動員と発言を指示していた、とか、佐賀県知事が九電に社員動員を掛けさせてやらせの住民説明会を行っただの、こちらも出鱈目。 

 原子力の安全性を検証する機関であるはずの原子力安全・保安院が、査察対象であるはずの電力会社に原発推進の世論誘導を指示する国。それが日本。これでは中国を出鱈目と非難する資格も無いではないか。そもそも原発を推進する経済産業省に原子力の安全性を検証する機関を置くこと自体が筋の通らないことであるのは、20〜30年前から指摘されていたが、それを放置したのが自民党自民党には最初から原子力推進しかなく、そのために住民と国土を犠牲にするかもしれないという懸念よりも自分たちの集り構造の構築を優先した結果が、今回の福島の惨状を招いたのである

 国民の安全を無視して高速鉄道を走らせる中国。

 国民の安全を無視して、原子力発電を推進する日本。

 要するに同じレベルか。残念!

(2011年7月31日 記)

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